
ウレタン防水とは?ビル・マンションで多い防水工法の特徴とポイント
ウレタン防水とは、液状のウレタン樹脂を塗り重ねて防水層をつくる工法です。
屋上・ベランダ・共用廊下など、ビルやマンションのさまざまな部位で採用される代表的な防水で、 改修工事(やり替え)でも選ばれやすいのが特徴です。
この記事では、オーナー様・管理者様向けに「仕組み」「メリット・注意点」「メンテナンスの考え方」をわかりやすく解説します。
- ウレタン防水の仕組み(層構造)と特徴
- 「密着工法」と「通気緩衝工法」の違い
- メリット・デメリット/劣化サイン/メンテナンスの目安
- ビル・マンションで見積チェックすべきポイント
ウレタン防水とは?
ウレタン防水とは、液状のウレタン樹脂を塗り重ねて硬化させ、防水層(塗膜)をつくる防水工法です。
材料が液体のため、凹凸や立ち上がり、配管まわりなど形状が複雑な場所にも対応しやすく、 継ぎ目のない一体化した防水層を形成できるのが大きな特徴です。
ウレタン防水の基本構造(層構造)
一般的なウレタン防水は、下記のような層で構成されます。
- 下地(コンクリート・モルタルなど)
- プライマー(密着を高める下塗り材)
- ウレタン防水層(主防水層:塗膜)
- トップコート(紫外線・摩耗から守る保護層)
なぜウレタン防水が多く使われるのか?
① 形状を選ばず施工できる
屋上の立ち上がりや配管まわりなど、複雑な形状でも塗って仕上げられるため、 シート防水が難しい場所でも対応しやすい工法です。
② 改修工事(やり替え)に向いている
既存防水の状態によっては、撤去を最小限にしながら上から施工できるケースがあります。
そのため、状況次第では撤去費や工期を抑えやすいのもメリットです。
③ 継ぎ目がなく、防水性を確保しやすい
塗膜で一体化させるため、シートの継ぎ目からの漏水リスクが少なく、 連続した防水層をつくりやすいのが特徴です。
注意点:ウレタン防水は「施工品質」が重要
ウレタン防水は優れた工法ですが、職人の施工精度(下地処理・乾燥・塗り厚・工程管理)によって仕上がりが左右されやすい一面があります。
- 塗り厚が不足している(規定膜厚に達していない)
- 乾燥時間を守らず、層間の密着が弱い
- 下地処理・プライマーが不十分で浮き・剥がれが起きる
施工前には、下地処理を 適切に行うことが、防水層の耐久性を高めるポイントです。
そのため、見積や仕様を確認する際は「どの工法で施工するか」「どの工程が含まれているか」を把握しておくことが大切です。


ウレタン防水の工法の種類
ウレタン防水は、建物の状況や下地の状態に合わせて、いくつかの工法を使い分けます。 ビル・マンションの改修では、湿気対策も重要なポイントになります。
密着工法(下地に直接塗る)
下地にプライマーを塗り、ウレタンを直接塗布して防水層をつくる工法です。
施工条件が合えばコストを抑えやすい一方で、下地の影響(湿気・状態のばらつき)を受けやすく、 状況によってはふくれのリスクが出ることがあります。
通気緩衝工法(湿気を逃がす:改修で主流)
通気緩衝シートを入れて、下地の湿気を外へ逃がしながら防水層をつくる工法です。
築年数が経っている建物や、既存防水の上からの改修では、通気緩衝工法が選ばれるケースが多いです。
オーナー様側で見積を比較する際は、「密着」なのか「通気緩衝」なのかが明記されているかをチェックすると安心です。
メリット・デメリット
メリット
- 凹凸や複雑な形状でも施工しやすい
- 改修工事(やり替え)に向いている
- 継ぎ目がなく、防水性を確保しやすい
デメリット(注意点)
- 施工品質(下地処理・工程管理・塗り厚)に左右されやすい
- 乾燥時間が必要で、天候の影響を受ける
- 表面保護のトップコートは定期的な塗り替えが必要
耐用年数とメンテナンスの考え方
ウレタン防水は、防水層そのものと、表面を守るトップコートでメンテナンス周期が異なります。
- ウレタン防水層:おおむね10〜12年(環境・仕様により変動)
- トップコート:おおむね5年前後で塗り替え推奨
トップコートを定期的にメンテナンスすることで、防水層の劣化を抑え、長持ちさせやすくなります。 (トップコートの用語ページもあわせて確認すると理解が深まります)
劣化のサイン(点検の目安)
下記のような症状が見られる場合は、早めに点検・相談するのがおすすめです。
- ひび割れ、剥がれ、浮き
- ふくれ(膨らみ)
- 色あせ・粉化(チョーキング)
- 排水まわりの劣化、雨水の滞留(排水不良)
費用の目安(参考)
費用は面積・下地状態・足場条件・仕様によって変わります。一般的な目安としては以下のとおりです。 (実際は現地調査のうえでの見積が前提です)
- 密着工法:4,000〜6,000円/㎡前後
- 通気緩衝工法:6,000〜8,000円/㎡前後
ビル・マンションオーナー向け:見積チェックのポイント
- 工法が「密着」か「通気緩衝」か明記されているか
- プライマー、ウレタン防水層、トップコートの工程が含まれているか
- 下地処理(補修・清掃・乾燥確認)の内容が書かれているか
- 保証内容(対象範囲・年数・条件)が明確か
用語を理解しておくことで、仕様の違いが分かりやすくなり、 「安いけど内容が薄い」見積を避けやすくなります。
まとめ:ウレタン防水は汎用性が高い一方、品質管理が重要
ウレタン防水は、ビル・マンションの屋上や共用部など幅広い部位に対応できる、代表的な防水工法です。
ただし、成功のカギは「工法選定」と「施工品質(下地処理・工程管理)」です。
気になる症状がある場合は、早めの点検で劣化の進行を防ぐことができます。
三原防水ドット工務では、屋上・ベランダ・共用廊下などの状況を拝見し、
下地・既存防水の状態に合わせた最適な工法をご提案します。
「通気緩衝にした方がいい?」「費用感を知りたい」など、お気軽にご相談ください。


