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Low-Eガラスは後悔する?メリット・デメリットや窓の選び方を解説


 

近年の新築住宅の窓は《Low-Eガラス》が定番になっています。住宅の窓をLow-Eガラスにすると、省エネ効果が高まり、少ない電気代で快適な温度環境をつくれるからです。

 

一方、SNS等を拝見していると「Low-Eガラスの窓を採用して後悔した」という意見も散見されます。一体どうしてなのでしょうか?どこに気をつければ、後悔せずに済んだのでしょうか?

 

 

本稿では、Low-Eガラスの《後悔事例》《後悔しないための対策》をご紹介します。《メリット》《窓の選び方》もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

Low-Eガラス の後悔(デメリット)事例と対策

 

住宅で使用する窓のガラスには、単板のものと複層のものがあります。本稿のテーマになっているLow-Eガラス》は、複層ガラスの一種です。

 

単板ガラス

ひと昔前まで主流だった一枚板のガラス。現在の新築では、ほぼ使われていない。

一般複層ガラス

複数枚のガラスを用い、断熱性向上のため、中空層に乾燥空気や特殊なガスを閉じ込めたもの。

Low-Eガラス

複層ガラスの一種。中空層側のガラス面に薄い特殊金属膜をコーティングしてある。

 

 

さて、複層ガラスを採用した方は、どんなことで「失敗した!」と感じているのでしょうか?代表的な後悔事例を4つご紹介しましょう。

 

1.価格が高かった

 

Low-Eガラスは、単板ガラスや一般複層ガラスより高価です。なぜなら、複層ガラスに特殊金属膜をコーティングしてあるからです。単板ガラス窓と複層ガラス窓では、窓枠の構造と価格も違います。

 

 

Low-Eガラスの費用を抑えるおもな方法は、ふたつあります。

 

● 補助金を活用する

● 設置場所を限定する

 

省エネ住宅の新築や省エネリフォームを実施すると、国や自治体の補助金制度を利用できる場合があります。Low-Eガラスは省エネ性が高いため、利用すると補助金の要件を満たしやすくなります。

 

 

他にも、Low-Eガラスの使用を、リビングや寝室などの長時間過ごす部屋に限定する方法もあります。

 

とは言え、Low-Eガラス採用の可否を判断する際は、新築時やリフォーム時だけでなく、長期的な視点が欠かせません。安易にLow-Eガラスの採用を見送るのは、よくないでしょう。

 

Low-Eガラスは、初期費用こそ高いものの、冷暖房費の削減に貢献します。初期費用と電気代を差し引きして考えた場合、長期的に見るとお得になる可能性があります。

 

 

また、時代の流れも考慮する必要があります。20254月から、新築住宅に《省エネ基準の適合》が義務付けられますが、Low-Eガラスは省エネ化に欠かせません。

 

2.タイプの選択を間違えた

 

Low-Eガラスの窓には、以下のふたつのタイプがあります。

 

● 断熱タイプ

● 遮熱タイプ

 

タイプ選びを間違うと、期待していた効果が得られません。そればかりか、逆効果になってしまうこともあります。―― さて、どういうことでしょうか?

 

 

じつは、タイプの違いによる断熱性能の差は大きくありません。しかし、遮熱性能に差があり、遮熱タイプは夏の日射対策に大きな効果を発揮します。

 

 

ただし、遮熱タイプの窓は冬も遮熱効果を発揮してしまいます。冬の日射はポカポカと家を温めてくれますので、遮熱は暖房にとって不利に働くのです (とくに南側の窓)

 

 

タイプ選定ミスの対策としては、専門家への相談が有効でしょう。打ち合わせの際に、設置場所に合ったタイプを選択できるように、建築士等からアドバイスをもらいましょう。

 

3.思ったほど、効果がなかった

 

残念ながら「家中の窓をLow-Eガラスにすれば、万事OK」とはなりません。期待する効果を得るためには、以下のふたつが重要です。

 

● 適切なタイプと設置場所を選ぶ

● 家全体の気密・断熱性能を向上させる

 

先述のとおり、タイプや設置場所の選択を誤ると、電気代を上げてしまうこともあり得ます。窓の効果を最大限に発揮したい場合は、設置場所ごとのタイプ選定が欠かせません。

 

また、窓の遮熱・断熱性能を高めると省エネに大きく貢献してくれますが、窓だけ遮熱・断熱性能を高めても効果は限定的です。屋根や壁、基礎、換気などから熱が流出入してしまいます。

 

ですから、窓の効果を高めたい場合も、専門家に相談していただくとよいでしょう。家の状況に合わせて、Low-Eガラスのタイプや設置場所を検討することが大切です。

 

 

ちなみに、標準的な複層ガラスに以下の効果はほぼありません。

 

● 防音性能

● 防犯性能

 

防音性を高めるには、複数あるガラスの厚みをそれぞれ変える必要があります (異厚複層ガラス)。もしくは、防音性能のある特殊フィルムを挟み込んだ《合わせガラス》にしなければなりません。

 

 

窓ガラスの防犯性能を高めるには、中空層に樹脂フィルムを挟み込む必要があります。樹脂フィルムによって割れたり貫通したりしにくくなるため、不審者に侵入を諦めさせる効果が高まります。

 

 

防音性や防犯性をお望みでしたら、専用の窓ガラスを選択してください。

 

4.ガラスの色が家の外観に合わなかった

 

「ガラスの色が家の外観に合わなかった」と感じている方も、おられるようです。

 

Low-Eガラスは、特殊金属膜がコーティングされているため、うっすらと光って見えます。また、遮熱や紫外線カットの効果を高めるために、色の付いているものもあります

 

 

Low-Eガラスの色は、クリア・グリーン・ブロンズなど、いくつかのバリエーションがあります。大まかに、特徴の違いをご紹介しましょう。

 

● クリアガラス:採光しやすい(光を通しやすい)

● 色付きガラス:断熱性や遮熱性、紫外線カット率が高い

 

ガラスの色は、家の外観に影響を与える可能性があります。外壁の色や周囲の環境によって、調和したり、逆に目立ってしまったりするのです。

 

たとえば、グリーンのガラスは周囲の緑と調和しやすいでしょう。一方、真っ白な外壁の家にグリーンのガラスを使うと、窓が悪目立ちしてしまう場合があります

 

 

ガラスの色は、外壁の色や周囲の環境を考慮して調和するものを選ぶとよいでしょう。

 

後悔したくない人必読!Low-Eガラスならではのメリットとは

 

Low-Eガラスの後悔しやすいポイント(デメリット)をご紹介しました。つづいて、メリットをご紹介しましょう。メリットとデメリットの両方を知っておくことで、採用時の満足度が高まります。

 

Low-E」は「Low Emissivity」の略で「低放射」という意味の言葉です。これまで主流だった単板ガラスが使われなくなり、これからはLow-Eの複層ガラスが主流になると考えられます。

 

 

Low-Eガラスは、ガラスの中空層側に特殊金属膜がコーティングしてあるため、日射や紫外線のカットに有効です。そのため、断熱・遮熱効果が高く、住宅の省エネ化に貢献してくれます。

 

高い断熱性で快適な室内環境づくりに貢献

 

Low-Eガラスは、その高い断熱性によって、快適な室内環境づくりに貢献してくれます。

 

 

その効果をとくに感じるのが、真夏と真冬です。少ないコストで、お部屋を快適な温度に維持できます。

 

● 夏:外部からの熱の流入を減らし、冷房効率を上げる

● 冬:室内からの熱の流出を減らし、暖房効率を上げる

 

繰り返しになりますが、Low-Eガラスは、2枚のガラスの間に中空層を設けた複層ガラスの一種です。標準的なLow-Eガラスは、この中空層に《乾燥空気》が入っています。

 

 

乾燥空気の代わりに《アルゴンガス》《クリプトンガス》などの断熱性の高いガスを充填したものもあります。そのような窓なら、更なる断熱効果の向上が見込めるでしょう。

 

紫外線カットで家具や建材の日焼けを抑制

 

「お気に入りのソファが、数年で色あせてしまった」「窓の近くだけ、フローリングが日焼けした」―― これは、日当たりのよい部屋に住む方が経験するよくある悩みです。

 

 

Low-Eガラスを導入することで、このような色あせや日焼けも抑えられます。Low-Eガラスなら、特殊金属のコーティングにより紫外線を約7080%カットできます。

 

 

写真や美術品など、紫外線による劣化を防ぎたいインテリアの保護にも役立ちます。お肌を紫外線から守りたい方にも有用でしょう。

 

複層ガラスの中空層が、結露の発生を抑制

 

結露は見た目が悪いだけでなく、カビの原因にもなる厄介な問題です。Low-Eガラスの窓なら、その断熱性の高さにより結露を抑制できます。

 

結露は、室内の暖かい空気が冷たい窓ガラスに触れ、空気中の水蒸気が冷やされて水滴になる現象です。Low-Eガラスは断熱性が高く、ガラスの表面温度が下がりにくいため、結露の発生を抑えられます。

 

 

結露を抑制できれば、窓周りのカビの発生も防げるため、家のお掃除がラクになる点も見逃せません。快適さだけでなく、清潔さも保ちやすいのは大きなメリットではないでしょうか?

 

覚えて起きたい!Low-Eガラスの種類と選び方

 

つづいて、Low-Eガラスの種類と選び方をご紹介します。その前に、熱の伝わり方を学んでおきましょう。理解が深まります。

 

 

熱は、以下の3つの方法を使って移動します。

 

● 伝導:木材や金属などの個体が熱を運ぶ

● 対流:水や空気などの流体が熱を運ぶ

● 輻射:赤外線などの電磁波が熱を運ぶ

 

たとえば、アイスクリーム用のスプーンはアルミ製が多いですよね。アルミスプーンは手の熱を伝導で運び、アイスクリームを溶かして食べやすくできるのです。

 

対流や輻射は、どうでしょうか?身近なものでは、冷暖房器具で利用されています。たとえば、エアコンは対流で熱を運び、遠赤外線ヒーターは輻射で熱を運びます。

 

 

遮熱と断熱は、どちらも熱の移動を制限するための手法です。しかし、制限している「熱の移動方法」が異なります。

 

断熱タイプの特徴

 

断熱」とは、伝導による熱の移動を制限する手法のことです。日用品なら、クーラーボックスやダウンジャケットが断熱を利用して温度を維持しています。

 

住宅の場合は、外皮(窓・屋根・外壁・床などの家を囲うもの)を伝わる熱の流れを、断熱性の高い建材を使うことで制限します。

 

 

ちなみに、熱エネルギーは高いほうから低いほうへ移動する性質があります。つまり、住宅の窓では以下のことが起こるのです。

 

● 夏:日射や屋外の熱が室内に流入する

● 冬:室内温が窓から屋外に流出する

 

断熱窓は、この流出入を抑制します。ですから断熱窓は、夏冬問わず、冷暖房の効率を上げる効果があります

 

遮熱タイプの特徴

 

遮熱」とは、輻射による熱の移動を制限する手法のことです。太陽から来る日射を遮り、輻射熱を受け取らないようにします。遮熱を利用している日用品と言えば、日傘でしょうか。

 

日傘を想像していただくと分かるとおり、遮熱は夏向きの手法です。住宅の場合は、遮熱タイプの窓ガラスを採用することで冷房コストの低減が期待できます。

 

一方、遮熱タイプの窓は冬の日射も遮ってしまいます。使いどころを間違うと、冬の暖房コストがアップしてしまうのです。冬の日射を取得したい窓は、断熱タイプを選んでいただくとよいでしょう。

 

 

ちなみに、遮熱タイプの複層ガラス窓は、断熱性能も非常に高いです。断熱窓の中で日射の取得率が一定値以下のものを「遮熱タイプ (日射遮蔽型)」と呼んでいます。

 

 

したがって、家の断熱性能を高くしたい方は遮熱タイプを選ばれる傾向があります。

 

窓の選び方のポイント

 

窓は、太陽光を取り入れたり、外の景色を眺めたりするためだけにあるのではありません。家の断熱性能にも、大きく影響します。つまり、電気代や室内の快適さを左右するのです。

 

 

窓選びでは、以下のポイントに注目して選びましょう。適切な窓を選ぶことで、季節を問わず気持ちのよい住環境を維持できますよ。

 

● 断熱性

● 遮熱性

● 結露防止

● 紫外線カット効果

● 外観への影響

● 設置場所

 

より快適な住環境を求める方には、Low-Eガラスの窓をおすすめします。Low-Eガラスなら断熱性や結露防止、紫外線カット効果が高く、快適な住環境の構築に貢献してくれるでしょう。

 

さらに断熱性にこだわりたい方は、遮熱タイプの窓を選んでいただくとよいでしょう。近年増えている夏の猛暑日でも、少ないエネルギーで室内を涼しくできます。

 

 

ただし、南側は断熱タイプが効果的です。南の大きな窓は、冬の暖かい日差しを取り込むのに適しています。夏は軒やスダレ、シェードなどで日差しをカットしていただくとよいでしょう。

 

まとめ:窓をLow-Eガラスにすると後悔する?

 

 

 

Low-Eガラスは、断熱や遮熱、紫外線カット、そして結露防止に役立ちます。Low-Eガラスの窓をご採用いただくと、お部屋を快適な状態に保ちやすくなります。

 

一方、Low-Eガラスは一般的なガラスより高価です。また、遮熱・断熱のタイプを選び間違えると、その効果を最大限に発揮できません。色選びにも、注意が必要です。

 

マイホームの新築やリフォームを検討されている方は、ぜひ窓選びにもこだわってみてください。長い目で見れば、快適でエコな住環境をもたらす投資になるでしょう。

 

 

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