近年では、補助金制度が設けられていることもあり、内窓を設置するリフォームが人気です。二重窓にすると、窓の断熱性や遮音性などを向上させることができ、生活の快適度がアップします。
一方、内窓を設置したい方の中には「カーテンは必要なの?」「どこに付けるの?」と悩む方がおられます。二重窓でもカーテンを必要とする場合があり、適切に設置すればさらに快適になるでしょう。
本稿では、二重窓の《カーテンの必要性》と《設置による効果》を解説します。また、カーテンの設置によるリスクもご紹介しますので、窓のリフォームを成功させたい方は参考にしてください。
二重窓(内窓)にカーテンはいらない?付けると後悔する?
それではさっそく、二重窓にもカーテンが必要な理由と、カーテンを取り付けたときに得られる効果(メリット)をご紹介します。
カーテンを掛けるべきかお悩みの方は、判断のヒントにしてください。
二重窓にもカーテンが必要な理由
二重窓とカーテンは、性能(解決できること)に違いがあります。ですから、二重窓にしたからといって、カーテンがいらなくなるわけではありません。
たとえば、透明ガラスの二重窓は視線を遮れません。プライバシーを確保したい場合は、カーテンが必要です。二重窓とカーテンを適切に組み合わせることで、より快適な住空間を実現できます。
とは言え、すべての二重窓にカーテンがいるわけではありません。二重窓にカーテンが必要かどうかは、設置場所の環境によって異なります。
これからご紹介する《カーテンの効果 (メリット)》が必要ない場合は、カーテンは必ずしも必要ではありません。
二重窓にカーテンを取り付けたときに得られる効果(メリット)とは
では、カーテンの代表的な効果を4つご紹介します。
1.遮光性を高められる
二重窓には断熱効果がありますが、光の強さを軽減する効果は限定的です。朝日や西日が直接差し込む窓は、カーテンで日差しを遮る必要があるかもしれません。
とくに寝室は、快適な睡眠環境をつくるために遮光能力の高いカーテンを取り付けたいところです。
2.紫外線をカットできる
一般ガラスの窓は、ほとんど紫外線をカットできません。Low-E複層ガラスの窓なら、紫外線の多くをカットできるものもあります。
カーテンを掛けることで、さらに紫外線をカットできます。家具や床の劣化を防ぎたい、あるいは日焼け対策をしたい方には、UVカット効果のあるカーテンがおすすめです。
「Low-E複層ガラスとは?」という方は、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
3.プライバシーを保護できる
透明ガラスの二重窓は、外からの視線を遮断できません。とくに、夜間の明かりがついた室内は、外から中の様子が見えやすくなります。
道路や隣家から近い窓、あるいは除かれたくない窓は、プライバシー保護のためにカーテンがあるとよいでしょう。
4.断熱効果と冷暖房効率が向上する
二重窓にすると、ある程度の断熱効果が得られます。カーテンを設置すると、窓とカーテンの間に空気層ができるため、より高い断熱効果が期待できます。
断熱効果の向上により、冷暖房効率も向上し、電気代の節約にもつながります。
内窓にカーテンを取り付けた際のリスク(デメリット)
つづいて、内窓にカーテンを取り付けた際のリスク(デメリット)をご紹介します。
メリットの多いカーテンですが、デメリットもいくつかあります。デメリットを知らずに設置すると、あとで「こんなはずじゃなかった……」と後悔することになるかもしれません。
デメリットを把握しておき、それを考慮したうえでカーテンを設置していただくとよいでしょう。きっと、満足度が上がりますよ。
結露が発生しやすくなる恐れがある
内窓にカーテンを取り付けると、状況によっては結露が発生しやすくなります。
結露とは、空気中の水蒸気が冷たいものに触れることで水滴になる現象のことです。室内でも、冷たい窓に空気中の水蒸気が触れると結露を生じます。
厚手のカーテンで内窓を覆うと、内窓表面の温度が低くなり、結露が発生しやすくなります。以下のような、結露発生のリスクを軽減するための対策を実施するとよいでしょう。
除湿機を使用する
通気性のよい薄手のカーテンを選ぶ
ときどきカーテンを開けて湿気を逃がす
内窓のガラスに断熱性の高いものを選ぶ
内窓にカーテンを取り付ける場合は、これらの点を考慮して、結露対策をしっかりと実施することが重要です。
開閉の手間が増える
内窓にカーテンを取り付けると、開閉の手間が増えます。内窓を設置すると窓が二重になりますので、窓を開けるには、外窓と内窓の両方を操作する必要があります。
カーテンを取り付けると、カーテンを開閉する動作も加わります。つまり、内窓もカーテンもない窓に比べて、開閉する際の手間が3倍になるということです。
人が頻繁に出入りする《掃き出し窓》などに内窓とカーテンの両方を設置する場合は、少し不便に感じるかもしれません。
カーテンを設置する前に、開閉の手間が増えることを考慮して、使い勝手をイメージしておきましょう。
インテリアに影響を与える
内窓にカーテンを取り付けると、お部屋のインテリアに影響を与える場合があります。とりわけ新規にカーテンやカーテンレールを取り付ける場合は、空間の雰囲気がガラっと変わるでしょう。
カーテンやカーテンレールの買い直しが必要になった場合も、カーテンの大きさやレールの位置が変わることで、お部屋の印象が変わります。
カーテンは、インテリアの重要な要素です。違和感が出ないように、お部屋のインテリアとカーテンを調和させましょう。コーディネートがうまくいくと、お部屋の印象がよくなりますよ。
カーテンの掛かった窓に二重窓(内窓)を設置する際の注意点
元々カーテンが掛かっていた窓に内窓を設置する場合、カーテンレールの移設が必要になるケースがあります。
そのようなケースでは、カーテンの買い直しや、付帯工事が必要になる場合があります。
カーテンレールの位置変更が必要になる場合がある
内窓を設置する際、既存のカーテンレールが内窓の枠やガラスに干渉することがあります。そのようなケースでは、カーテンレールを移設する必要があります。
たとえば、こんな場合です。
窓枠内にカーテンレールが付いている
窓枠の奥行が浅く、窓枠の上にカーテンレールが付いている
内窓は、一般的に窓枠内に設置します。ですから、窓枠内にカーテンレールが取り付けてある場合は、移設になる可能性が高いでしょう。
また、窓枠の奥行が浅いときは、《ふかし枠》という工法で窓枠の奥行をお部屋側に延長して内窓を取り付けます。その際、ふかし枠と窓枠上部に付いているカーテンレールが干渉する場合があります。
そのようなケースでは、カーテンレールを取り付けられるふかし枠を採用するか、レールの位置を調整する必要があります。
レール用の下地補強が必要な場合は、付帯工事が発生する
カーテンレールをしっかりと取り付けるためには、ビスを打つ壁や天井の下地に強固さが求められます。ビス位置に石こうボードしかない場合は、ビスが抜け、カーテンレールが脱落してしまいます。
二重窓にカーテンを取り付ける際、カーテンレールの移設にともない下地補強などの付帯工事が発生するケースがあります。たとえば、こんな付帯工事が発生します。
下地となる木材を追加するための大工工事
下地補強のあと、壁紙を修復するための内装工事
エアコンや壁内の配線の移動が必要になる場合は、電気工事も必要です。しっかり見積もりを取って、工事全体の金額を把握してから計画を実行しましょう。
カーテンの買い直しが必要になる場合がある
二重窓にすることで以下の事情を生じる場合は、カーテンの買い直しが必要になるかもしれません。
カーテンの設置場所が変わる場合
内窓の設置によって窓のサイズが変わる場合
内窓の開閉に考慮が必要な場合
カーテンの設置場所が変わる場合、それにともないカーテンのサイズ変更が必要になるケースが少なくありません。既存のカーテンのままでは、幅や丈が足りなくなる場合があるのです。
内窓の設置によって窓のサイズが変わる場合も、既存のカーテンが合わなくなることがあります。たとえば、ふかし枠を採用する場合は、カーテンのサイズアップが必要になるケースがあります。
内窓の開閉を考慮した結果、既存のカーテンより、ブラインドやローマンシェードに換えるほうがよいケースもあります。事前にしっかり検討して、適切な選択肢を選ぶことが大切です。
二重窓(内窓)用カーテンのよくある疑問
最後に、二重窓(内窓)用カーテンのよくある疑問を3つご紹介して終わりたいと思います。
Q1:内窓にはどんな種類のカーテンがおすすめ?
内窓に設置するカーテンは、一般的なもので問題ありません。ただし、カーテンにはさまざまな選択肢がありますので、より適したものがないかご検討いただくとよいでしょう。
4つほど、例をあげてみます。
1.機能性(防音、保温など)カーテン
内窓は、防音性や断熱性の向上に寄与します。しかし、機能性カーテン(防音、保温など)を取り付けることで、さらに快適な環境をつくり出せる場合があります。
たとえば寝室、あるいは音楽や映画を楽しむためのお部屋は、カーテンで遮光性や防音性を付加するとより快適になるでしょう。
2.モスリンやボイル生地のカーテン
モスリンやボイル生地は、薄手で軽やかな素材で、レースカーテンの代用になります。窓周りに、明るく開放的な印象をプラスしてくれるでしょう。
「二重窓の野暮ったさがちょっと……」という方は、モスリンやボイル生地のカーテンで、窓周りをオシャレにしてみてはいかがでしょうか?
3.ブラインド
先述のとおり、内窓に厚手のカーテンを掛けると結露を生じやすくなります。カーテンをブラインドに換えることで、内窓の表面温度が上がり、結露が発生しにくくなるでしょう。
ブラインドは、外からの視線を遮りつつ、光の量を調整できます。ですから、プライバシーを守りながら自然光の量を調整したいお部屋に有効です。
4.ローマンシェード
ローマンシェードは、上下に開閉するタイプのカーテンです。シンプルで洗練されたデザインが特徴で、窓周りをスッキリした印象にできます。
上げ下げできるローマンシェードなら、上半分だけ視線や自然光を遮ることも可能です。ですから、上からの視線が気になる窓や、南側の窓に有効です。
Q2:内窓の部屋側?二重窓の間?カーテンの設置場所はどこがよい?
カーテンの設置場所については、いくつかの選択肢があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
内窓の部屋側にカーテンを付けると、カーテンの開け閉めがしやすいでしょう。一方、カーテンの存在感が高まるため、窓周辺に圧迫感が出やすくなります。
二重窓の間にカーテンを付けると、内窓の結露を抑える効果が期待できます。一方、外窓と内窓の間にカーテンの設置スペースが必要になるため、設置できないケースもあります。
カーテンの設置位置は、窓枠の奥行やカーテンの開閉頻度、インテリアの好み、結露対策の必要性などを考慮してご判断ください。
Q3:カーテンなし(二重窓のみ)で外から見えないようにするには?
すりガラスや型ガラスを使用すれば、カーテンがなくても外からの視線を遮れます。これらのガラスは、光を通しつつも視界をぼかせるため、プライバシーを保つのに効果的です。
ただし、すりガラスや型ガラスであっても、西日が入るキッチンや夜間の映り込みが気になる浴室には、カーテンが必要かもしれません。
透明ガラスにしたい場合は、窓の外に植栽やフェンスを配置することで、目隠しとすることも可能です。状況に合わせて、適切な選択をしていただくとよいでしょう。
まとめ:二重窓(内窓)のカーテンをどうするか、適切に判断しよう
二重窓のカーテンの必要性と、設置による効果やリスクをご紹介しました。内窓を取り付けたからといって、カーテンが不要になるわけではありません。
また、カーテンがあるとさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットや注意点もあります。状況に合わせて、カーテンを取り付けるかどうか判断しましょう。
三原防水ドット工務では、住宅のリフォームを承っております。内窓等の断熱リフォームのご相談やお見積もりも無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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